中間集計(2026/08/20 9:33:44 時点・回答 32 件) 回答受付中(締切 8月28日)のため数値は確定値ではありません/関係者内の確認用・外部公開前
飛騨高山ローカルガイド実態調査デジタル調査報告書
有効回答 n=32

分析(ロールモデル・仮説)

回答者の中で参考になる働き方をしているガイドを「ロールモデル」として定義し、そこに至っていない人との差分と、本人・協会それぞれの次の一歩を整理します。後半は探索的仮説。

ROLE MODEL

今回のロールモデルと、アンケートで見えた差分

この調査の目的は「高山のガイドを増やし、案内の質を上げる」こと。そのために、回答者の中で参考になる働き方をしているガイド(ロールモデル)を定義し、何を持ち、どう動いているかを具体的に書き出したうえで、そこに至っていない人との差分を見ます。差分は「足りないもの」ではなく、ガイド本人が次に取れる一歩協会・地域が整えるべき仕組みの2つに翻訳します。人数が少ない区分が多いため、割合ではなく実数で読んでください。

今回のロールモデル:5名はどんな働き方をしているか

定義:1時間あたり報酬 5,000円以上(A/Bの高い方)かつ 繁忙期の月平均稼働 15日以上。回答者 32 名のうち 5 名が該当

定義 この調査で「参考にしたい働き方」として置くのは、単価と稼働の両方が確保できている 5 名です。 専業 3 名・兼業 2 名で、専業かどうかでは決めていません。 「単価は高いが仕事が少ない」「よく働いているが単価が上がらない」人はロールモデルから外し、それぞれ別の象限として扱います。
観点ロールモデル 5 名の姿(実数)それ以外 27 名との比較
資格・語学 地域通訳案内士(5名)、TOEIC 730点以上(3名)、国内旅程管理主任者(3名)、全国通訳案内士(1名)、WFA (Wilderness First Aid)(1名)。外国語は「専門的な解説まで」以上が 3 名。 地域通訳案内士は 13/27 名、「専門的な解説」以上は 13/27 名
経験 1年未満(1名)、7~10年(3名)、11年以上(1名)。 それ以外は経験3年以下が 16/27 名
受注経路 海外の旅行会社・DMC経由(5名)、国内の旅行会社・DMC経由(4名)、知人の紹介・リピーター経由(3名)、自身のwebやSNS経由(2名)。1人あたり 3 経路(中央値)を持ち、DMCと直販の両方を持っている。 海外DMC経由は 9/27 名、3経路以上は 7/27 名
金額の決め方 料金指定で受ける【A】4 名、自分から提示して交渉する【B】5 名(両方を使い分ける人が大半)。 時給は【A】3,000円~5,000円(4名)/【B】5,000円~8,000円(4名)、10,000円~13,000円(1名)。 それ以外で【B】交渉するのは 11/27 名
稼働 繁忙期 15~21日(1名)、21~28日(4名)、閑散期 1~3日(2名)、3~7日(1名)、8~14日(1名)、15~21日(1名)。1回の案内は 2時間~3時間(1名)、3時間~4時間(1名)、半日(2名)、1日(1名)。 閑散期もゼロにならず、1日単位の案件を受けている。 それ以外は閑散期0日が 9/27 名、1回「1日」は 7/27 名
対応できるツアー 単独対応できるツアーは 5 種類(中央値)。市街地・町あるき(5名)、歴史・文化(5名)、食文化(5名)、高山祭(4名)、職人・工房(4名)、ネイチャー・里山(3名)、E-Bike・自転車(3名)。定番+テーマ型の幅を持つ。 それ以外の中央値は 3 種類
顧客層 FIT(個人旅行者)(5名)、ファミリー(4名)、高付加価値旅行者(富裕層)(4名)、高付加価値旅行者(VIP)(3名)、団体旅行(2名)。 高付加価値(富裕層)に対応可はそれ以外で 10/27 名
収入に占める割合 約30%程度(1名)、約70%程度(1名)、約80%程度(1名)、約90%程度(1名)、約100%(1名)。 それ以外は10%未満が 13/27 名
これから 高付付加価値旅行者を担当したい(4名)、ツアーの造成にも関わりたい(3名)、後継者育成をしたい(2名)、もっと増やしていきたい(2名)。「個人で稼ぐ」の次に「商品と担い手を作る」に関心が移っている。 課題は 事務作業の負荷(3名)、仕事・依頼自体が少ない(2名)、スキルアップの機会が少ない(2名)。求める支援は 案件紹介・アサイン/マッチング機能(3名)、旅行会社・DMCとの商談・取引支援(2名)、歴史・自然・食等の専門テーマ研修(2名)
考察 ロールモデルに共通するのは、資格で入口に立ち海外DMCを含む複数の販路を持ち、 条件によっては自分から金額を提示し定番とテーマ型の両方を1日単位で案内できるという4点です。 専業か兼業かは分かれており、「専業になること」がゴールではなく「単価と稼働の両方を作る動き方」がロールモデルだと読めます。 一方で課題として「事務作業の負荷」を挙げており、ここは本人の努力ではなく仕組みで解く領域です。 n=5 のため個人差は大きく、あくまで回答から見えた共通点です。
  • n=5(ロールモデル層)/比較対象 27 名
  • すべて実数。n<10 のため割合は示さない
  • 定義の境界(時給5,000円・繁忙期15日)は分析者の設定

回答者の分布:繁忙期の稼働日数(Q18)× 時給(Q23/Q24)— 四象限マップ

32名を「単価 × 稼働」で置くと、ロールモデル層は5名、最も多いのは立ち上がり層の13名

単価先行層5ロールモデル層5立ち上がり層13稼働先行層31~3日3~7日8~14日15~21日21~28日28~31日1,000円~3,000円3,000円~5,000円5,000円~8,000円8,000円~10,000円10,000円~13,000円兼業・その他ガイド専業ガイド専業ガイド専業兼業・その他兼業・その他ガイド専業兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他兼業・その他ガイド専業兼業・その他兼業・その他ガイド専業ガイド専業兼業・その他兼業・その他兼業・その他繁忙期の月平均稼働日数 →1時間あたり報酬(A/B のうち高い方)→
ガイド専業兼業・その他1点=1名。同じマスの点は円形に散らして重なりを避けている
考察横軸は繁忙期の月平均稼働日数、縦軸は1時間あたり報酬(A・Bのうち高い方)。右上のロールモデル層 5名は全員が地域通訳案内士を持ち、全員が海外DMCと取引し、全員が自分から金額を交渉している。左下の立ち上がり層 13名は経験3年以下が9名で専業は0名。左上の単価先行層 5名は「単価はあるが仕事が少ない」、右下の稼働先行層 3名は「働いているが単価が上がらない」。象限ごとに足りないものが違うので、打ち手も分ける(下の象限別カード)。
  • n=26(時給の設問に回答した人)。単価未回答 6名は図の外
  • 分母:各象限の人数。象限は n<10 のため実数で読む
  • 境界:時給 5,000円/繁忙期 月15日。分析者が設定した区切り(探索的分析)
  • 注記:時給は階級回答のため、同じ階級内の差は表せない
GAP BY SEGMENT

ロールモデルとの差分:象限ごとの姿と次の一歩

象限ごとに「どんな人たちか」「困っていること」「求めている支援」を実数で示し、ロールモデルとの差を一言でまとめたうえで、本人向け・協会向けの示唆を分けています。数字はすべて人数。示唆は回答から読み取った仮説です。

ロールモデル層5名

時給5,000円以上 × 繁忙期 月15日以上

どんな人たちか
専業/兼業3 / 2 名
経験年数3年以下 1 名/7年以上 4 名
地域通訳案内士5 名
海外DMCと取引5 名
自分から金額を交渉5 名
ガイド収入が総収入の半分以上4 名
困っていること(上位3・人数)
事務作業の負荷3仕事・依頼自体が少ない2スキルアップの機会が少ない2
求めている支援(上位3・人数)
案件紹介・アサイン/マッチング機能3旅行会社・DMCとの商談・取引支援2歴史・自然・食等の専門テーマ研修2
ロールモデルとの差

この層がロールモデル。単価と稼働の両方を確保している。

本人が取れる次の一歩(示唆)関心は「高付加価値旅行者」「ツアー造成」「後継者育成」へ。個人で稼ぐ段階から、商品と担い手を作る段階へ進んでもらう。

協会・地域が整える仕組み(示唆)課題の筆頭は事務作業。予約・決済・契約・保険の共通基盤で事務を肩代わりし、造成・育成に関わる際の報酬も設計する。

単価先行層5名

時給5,000円以上 × 繁忙期 月14日以下

どんな人たちか
専業/兼業2 / 3 名
経験年数3年以下 2 名/7年以上 1 名
地域通訳案内士3 名
海外DMCと取引2 名
自分から金額を交渉4 名
ガイド収入が総収入の半分以上0 名
困っていること(上位3・人数)
本業・家庭との調整が難しい2ガイド技術・知識に不安がある2報酬・条件が合わない2
求めている支援(上位3・人数)
歴史・自然・食等の専門テーマ研修4ガイド技術・接遇・インタープリテーション研修3ガイド同士のネットワーク・交流の場2
ロールモデルとの差

単価は同じ水準だが、仕事の量が少ない。4名は自分で交渉もできている。足りないのは交渉力ではなく案件との接点

本人が取れる次の一歩(示唆)専門分野を持ちたい意向が強い。テーマを1つ決め「この分野ならこの人」と認知される動き方が合う。

協会・地域が整える仕組み(示唆)テーマ別・曜日別の案件マッチング。本業と両立できる短時間・週末型の案件を組む。研修は「受講後に担当できる商品」とセットにする。

稼働先行層3名

時給5,000円未満 × 繁忙期 月15日以上

どんな人たちか
専業/兼業2 / 1 名
経験年数3年以下 0 名/7年以上 2 名
地域通訳案内士2 名
海外DMCと取引2 名
自分から金額を交渉2 名
ガイド収入が総収入の半分以上3 名
困っていること(上位3・人数)
仕事・依頼自体が少ない1商品・ツアーが不足している1仕事の情報や受注(依頼)機会がわからない1
求めている支援(上位3・人数)
歴史・自然・食等の専門テーマ研修3案件紹介・アサイン/マッチング機能2予約・決済・管理の仕組み2
ロールモデルとの差

稼働は同じ水準だが、単価が上がっていない。全員が経験4年以上・外国語上位で、力量に対して単価が追いついていない可能性。

本人が取れる次の一歩(示唆)ロールモデルとの違いは「自分から金額を提示する」経験と商品造成への関与。交渉の場に出ることが次の一歩。

協会・地域が整える仕組み(示唆)報酬水準の目安(相場表)の公開と、DMC・旅行会社との商談への同席。この層が商品造成に入れる枠組みを用意する。

立ち上がり層13名

時給5,000円未満 × 繁忙期 月14日以下

どんな人たちか
専業/兼業0 / 13 名
経験年数3年以下 9 名/7年以上 2 名
地域通訳案内士6 名
海外DMCと取引4 名
自分から金額を交渉4 名
ガイド収入が総収入の半分以上1 名
困っていること(上位3・人数)
仕事・依頼自体が少ない6本業・家庭との調整が難しい4仕事の情報や受注(依頼)機会がわからない4
求めている支援(上位3・人数)
ガイド技術・接遇・インタープリテーション研修9歴史・自然・食等の専門テーマ研修9案件紹介・アサイン/マッチング機能7
ロールモデルとの差

最も人数が多い層。経験3年以下が中心で、単価も仕事の量もこれから。課題は「仕事が少ない」「受注機会が分からない」。

本人が取れる次の一歩(示唆)目標はまず1本目の有償案件。ロールモデルの入口は地域通訳案内士とDMC取引。資格取得と先輩ガイドへの同行から始める。

協会・地域が整える仕組み(示唆)研修 → 同行研修→ 初回案件の紹介を一続きにする。技術・接遇研修の要望が最多。副業前提の週末・短時間案件を確保する。

単価未回答6名

時給の設問(Q23/Q24)に回答なし=DMC・旅行会社経由の有償ガイド経験がまだ無い人が中心

どんな人たちか
経験3年以下5 名
地域通訳案内士2 名
困っていること(上位3・人数)
仕事・依頼自体が少ない2仕事の情報や受注(依頼)機会がわからない2ガイド技術・知識に不安がある2
求めている支援(上位3・人数)
歴史・自然・食等の専門テーマ研修3ガイド技術・接遇・インタープリテーション研修3予約・決済・管理の仕組み2

読み方有償ガイドの実績がまだ無い、または旅行会社経由の仕事が無い層。立ち上がり層の一歩手前として同じ施策の対象になる。

LADDER

ロールモデルに共通する4条件を重ねると、どこで人数が減るか

ロールモデル層に共通する4つの条件を順に重ねると、どの段階で人数が減るかが分かります。順番は因果を意味しません(先に交渉力を身につけた人もいる)。

ロールモデルの4条件を順に重ねたときの人数

資格 → DMC取引 → 交渉 → 時給5,000円以上。32名のうち4条件すべてを満たすのは7名

回答者全員中間集計時点
32名
100.0%
▼ 14名が次の段階に進んでいない
地域通訳案内士を保有Q04
18名
56.2%
▼ 2名が次の段階に進んでいない
+ 旅行会社・DMC経由の受注があるQ21(国内または海外)
16名
50.0%
▼ 6名が次の段階に進んでいない
+ 自分から金額を提示して交渉Q22【B】
10名
31.2%
▼ 3名が次の段階に進んでいない
+ 時給5,000円以上Q23/Q24 の高い方
7名
21.9%
考察地域通訳案内士を持つ18名のうち16名がDMC取引に進み、そのうち自分から金額を交渉しているのは10名。さらに時給5,000円以上は7名。交渉している16名のうち9名が時給5,000円以上なのに対し、交渉していない(料金指定のみ)11名では1名。また時給5,000円以上の10名のうち8名が地域通訳案内士。「資格で入口に立ち、DMCと取引し、金額を自分から提示する」が単価に直結する道筋として読める。最大の段差は「DMC取引 → 交渉」の6名で、ここが研修・支援で動かせる余地。
  • n=32
  • 各段は前段の条件を満たす人の部分集合(累積条件)
  • 注記:条件の順番は分析者が置いたもので、因果や時系列を示さない
  • 注記:時給は A/B のうち高い方の階級で判定
GAP

ロールモデルに近い層とそれ以外の差分(実数つき)

ここでは少し広く、ガイド専業または時給5,000円以上の 12 名を「ロールモデルに近い層」とし、それ以外 20 名と比べます。棒の横の(a/b)が実数です。

資格・受注・経験・意向・課題の比較:ロールモデルに近い層 と それ以外

ロールモデル層を特徴づけるのは「地域通訳案内士」「海外DMC取引」「自分で交渉」「対応できるツアーの幅」

それ以外(n=20)ロールモデル層(n=12)右端=ロールモデル層(n=12) − それ以外(n=20)(pt)
資格・語学
地域通訳案内士
45.0%(9/20)
75.0%(9/12)
+30.0pt
外国語で専門的な解説以上
40.0%(8/20)
66.7%(8/12)
+26.7pt
国内旅程管理主任者
20.0%(4/20)
25.0%(3/12)
+5.0pt
受注・交渉
自分から金額を提示して交渉
30.0%(6/20)
83.3%(10/12)
+53.3pt
海外の旅行会社・DMC経由で受注
30.0%(6/20)
66.7%(8/12)
+36.7pt
受注経路が3つ以上
20.0%(4/20)
50.0%(6/12)
+30.0pt
国内の旅行会社・DMC経由で受注
45.0%(9/20)
66.7%(8/12)
+21.7pt
経験・稼働
経験7年以上
10.0%(2/20)
58.3%(7/12)
+48.3pt
単独対応できるツアーが5種類以上
10.0%(2/20)
58.3%(7/12)
+48.3pt
繁忙期 月15日以上稼働
15.0%(3/20)
58.3%(7/12)
+43.3pt
意向
高付加価値旅行者を担当したい
30.0%(6/20)
58.3%(7/12)
+28.3pt
ツアーの造成にも関わりたい
25.0%(5/20)
50.0%(6/12)
+25.0pt
後継者育成をしたい
10.0%(2/20)
33.3%(4/12)
+23.3pt
課題
事務作業の負荷
15.0%(3/20)
25.0%(3/12)
+10.0pt
仕事・依頼自体が少ない
40.0%(8/20)
33.3%(4/12)
-6.7pt
ガイド技術・知識に不安
25.0%(5/20)
16.7%(2/12)
-8.3pt
考察ロールモデル層12名では地域通訳案内士 9名(それ以外 9/20名)、海外DMC取引 8名(同 6名)、自分から交渉 10名(同 6名)。単独対応できるツアーが5種類以上は 7名 vs 2名、受注経路3つ以上は 6名 vs 4名で、「幅(対応ツアー・販路)」がロールモデル層の共通点。課題はロールモデル層が「事務作業の負荷」、それ以外が「仕事が少ない」「技術・知識に不安」と、段階によって明確に入れ替わる。
  • n=ロールモデル層 12 / それ以外 20
  • 分母:各群の人数。複数回答の項目は回答者割合
  • 集計方法:各属性の該当割合と実数。右端は ロールモデル層 − それ以外(パーセントポイント)
  • いずれの群も n<30 のため参考値
VOICE

自由記述に見る視座の違い(ロールモデルに近い層 vs それ以外)

ロールモデル層(記述18件)とそれ以外(記述25件)で、何について書いているかを比べます。

自由記述のテーマの比較:ロールモデルに近い層 と それ以外

ロールモデル層は「地域の商品・担い手・分散」を語り、それ以外は「魅力の発見・自分の学び」を語る

それ以外(記述25件)ロールモデル層(記述18件)右端=ロールモデル層(記述18件) − それ以外(記述25件)(pt)
自由記述で触れたテーマ(記述数ベース)
体験・アクティビティの造成
12.0%(3/25)
33.3%(6/18)
+21.3pt
観光客の集中・分散
12.0%(3/25)
27.8%(5/18)
+15.8pt
担い手を増やす・若手
16.0%(4/25)
27.8%(5/18)
+11.8pt
長期滞在・消費額・高付加価値化
8.0%(2/25)
11.1%(2/18)
+3.1pt
ガイドの育成・研修・資格制度
20.0%(5/25)
22.2%(4/18)
+2.2pt
飲食・店舗・決済の受入環境
20.0%(5/25)
16.7%(3/18)
-3.3pt
やりがい・高山の魅力
20.0%(5/25)
11.1%(2/18)
-8.9pt
市街地以外・広域の魅力発信
24.0%(6/25)
11.1%(2/18)
-12.9pt
考察ロールモデル層の記述で多いテーマは体験・アクティビティの造成(6件)観光客の集中・分散(5件)担い手を増やす・若手(5件)と、自分の仕事より地域の仕組みに視点が移っている。それ以外では市街地以外・広域の魅力発信(6件)やりがい・高山の魅力(5件)ガイドの育成・研修・資格制度(5件)が多く、「もっと知りたい・学びたい」段階にある。ロールモデル層の声は商品造成・育成の企画に、それ以外の声は研修テーマの設計に、それぞれ直接使える。
  • n=ロールモデル層の記述 18 / それ以外の記述 25(Q29+Q30)
  • 分母:各群の記述数。1件に複数テーマを付与
  • 分類:fa_coding.json v1.0(人手)

ロールモデル層の声(要望・課題)

①飛騨地域・地域通訳案内士の上級(より深い内容を扱うガイド)の養成、資格制度の創出を検討されてはいかがでしょうか
②飛騨地域各地(高山市、飛騨市、白川村、下呂市)間の連携が、以前(飛騨地域・地域通訳案内士制度創出当時)より薄れて来ているように感じます。それぞれの地域がそれぞれの…ガイド専業/経験11年以上
レストランや土産屋などが、突然臨時休業するのは本当に困ります。せめてグーグル情報を前日までに更新するか、自社でインスタなどを運営し、そこで臨時休業を明記すべきです。ランチの予約もなかなか受け付けてくれませんカード決済対応もあまり進んでいませんディナー営業レストランもまだ少ないガイド専業/経験7~10年
海外からの団体旅行客を案内するガイドさんへのマナー教育は行ってほしい。古い街並みの通りで道路を占領して説明などを行っている方を繁忙期はよく見かけるので、他の通行人の方に配慮したガイディングの周知などのマナー講習などは行っていただきたいガイド専業/経験1年未満

それ以外の層の声(要望・課題)

インバウンドの需要が高い高山であれば、ガイドの仕事に携われるかと思い、興味を抱きました。ガイド未経験なので、まずは自分の興味のある分野から知識を深め、外国人の方をガイドできるようになりたいと思っております。地域限定通訳案内士を取得したいので、取得する機会を増やして頂けたらうれしいその他(自由記入)/経験1年未満
案内看板を見て外国語訳するだけのガイドがいる自分の言葉で生きたガイドをしてほしい。また、外国語でただの世間話をして道案内だけのガイドもいる。ちゃんとガイドしてよ、と思う。設問中、外国語での「ガイド対応レベル」の問いがおかしい。しかも回答必須で。日本語しかしゃべれません。他の仕事と兼業/経験4~6年
・地域の観光資源(朝市)へ観光客がお金を更に落とす方法の模索
表面的な観光資源(半弓場や射的、高山と名前のついただけのどこにでもあるフードの販売)の脱却
元々ある観光資源の醸耕(木工業や郷土料理等)
地元企業と観光業の更なる連携他の仕事と兼業/経験1~3年

原文から抜粋(140字まで)。色は 要望不満・懸念肯定

IMPLICATIONS

仕組みとしての示唆(協会・地域向け)

象限別の示唆を、仕組みの単位にまとめ直したものです。左が何をするか、右がその根拠となる回答です。

整備する仕組み内容根拠(回答)
① 研修 → 同行 → 初回案件を一続きに 技術・接遇研修とテーマ研修を、先輩ガイドへの同行研修と初回案件の紹介までセットで設計する。研修単体で終わらせない。 立ち上がり層13名の課題トップは「仕事が少ない」6名、求める支援は研修9名。意向は「もっと増やしたい」9名
② 地域通訳案内士の取得支援 取得機会(講座・試験対策)を増やす。ロールモデル層の入口資格になっている。 時給5,000円以上10名のうち8名が保有。DMC取引層19名のうち16名が保有。自由記述でも「取得する機会を増やして」の声
③ 報酬の目安(相場表)の公開と交渉の支援 時給帯の分布を匿名で公開し、DMC・旅行会社との商談に同席・助言する。「自分から金額を提示する」経験を作る。 交渉あり16名中9名が時給5,000円以上、交渉なし11名中1名。A・B両方を経験した14名の7名で交渉時の方が高い階級
④ 案件マッチング(誰が・どのテーマで・いつ空いているか) テーマ別・曜日別の稼働可能表を協会側で持ち、DMCからの依頼を振り分ける。副業前提の短時間・週末枠を明示する。 「案件紹介・マッチング」を求める人14名。単価先行層5名は単価はあるが繁忙期14日以下。副業として続けたい13名
⑤ 予約・決済・契約・保険の共通基盤 個人で抱えている事務を協会側で共通化する。ロールモデル層の時間を案内と育成に振り向ける。 ロールモデル層5名の課題トップは「事務作業の負荷」3名。「仕組みに不安」6名、「契約・保険等の環境整備」を求める7名
⑥ テーマ型ツアーの造成にロールモデル層を巻き込む 暮らし・農家、職人、里山など「取り組みたい人が多いが経験がない」領域で、ロールモデル層が造成・研修講師を担う枠組みを作る。 「暮らし・農家」は未経験だが取り組みたい人20名。ロールモデル層の意向「ツアー造成」3名・「後継者育成」2名

示唆は回答の傾向から分析者が導いた仮説です。需要側(観光客・DMC)の意向は測っていないため、実行前に取引先側の確認が必要です。

RELATED

ロールモデル分析に関わるそのほかの集計

ロールモデルが担いうるテーマ型ツアーの余地と、交渉の有無による時給差。

ツアー種別ごとの対応段階(Q05–Q14)— 支援余地の大きい順

支援を投入すれば担い手が増える余地が最も大きいのは「暮らし・農家」(65.6%)

暮らし・農家n=32
9%
62%
25%
支援余地 65.6%
職人・工房n=32
25%
9%
47%
19%
支援余地 56.2%
ネイチャー・里山n=32
38%
41%
16%
支援余地 46.9%
トレッキング・登山n=32
22%
9%
38%
31%
支援余地 46.9%
高山祭n=32
38%
9%
31%
22%
支援余地 40.6%
スノー・雪山n=32
19%
12%
25%
44%
支援余地 37.5%
食文化n=32
47%
16%
16%
22%
支援余地 31.2%
E-Bike・自転車n=32
25%
25%
44%
支援余地 31.2%
歴史・文化n=32
59%
16%
12%
12%
支援余地 28.1%
市街地・町あるきn=32
75%
12%
支援余地 12.5%
A:現在、有償で単独対応できるB:経験はあるがサポート・研修が必要C:今後取り組みたい(まだガイドを行ったことがない)D:自分の領域ではない
考察「経験はあるが支援が必要」と「今後取り組みたい(未経験)」を合わせると21名(65.6%)。うち「今後取り組みたい」だけで20名(62.5%)と、意欲はあるが経験がない層が厚い。対照的に「市街地・町あるき」は75.0%が単独で対応でき、定番ツアーの担い手は足りている。研修や同行の機会はテーマ型ツアーに向けるのが効きそうな領域。
  • n=32(設問ごとに変動)
  • 分母:当該設問の有効回答者数
  • 集計方法:単一回答の構成比
  • 注記:支援余地 = B(要支援)+ C(未経験だが取り組みたい)

1時間あたり報酬の比較:料金を指定される場合【A】と 自分から交渉する場合【B】(Q23/Q24)

自分から金額を交渉している人の方が、時給が高い階級に寄っている

1,000円~3,000円
-12.6pt
3,000円~5,000円
-33.8pt
5,000円~8,000円
+40.9pt
8,000円~10,000円
+0.0pt
10,000円~13,000円
+5.6pt
13,000円~15,000円
+0.0pt
0%20%40%60%80%
【A】料金を指定される【B】自分から交渉する右端の値=【B】自分から交渉する − 【A】料金を指定される(パーセントポイント)。プラスなら【B】自分から交渉するの方が高い
考察【A】料金を指定される場合は「3,000円~5,000円」が16/22名(72.7%)に集中し、中央値階級も3,000円~5,000円。【B】自分から交渉する場合は「5,000円~8,000円」が最多(9/18名)で、中央値階級は5,000円~8,000円。さらにA・Bの両方を経験している14名に限ると、7名(50.0%)で交渉時の方が高い階級、7名は同じ階級で、交渉時の方が低かった人はいなかった。同じ人の中で比べても差が出ている点が重要。
  • 対象:Q22 で該当を選んだ人(条件付き設問)
  • n=【A】22 / 【B】18(いずれも n<30 のため参考値)
  • 分母:各設問の有効回答者数。全回答者ではない
  • うち A・B 両方に回答(対応のある比較が可能)=14
  • 注記:上限開放区間を含むため平均は算出していない。13,000円以上の階級は回答0のため図から省略
HYPOTHESIS

そのほかの探索的仮説

ここから先は探索的分析によって確認された傾向です。事前に設定した仮説ではなく、データを見た後に立てた仮説であり、検証は次の段階の課題です。相関関係が見えても因果関係とは言えません。

ツアー種別ごとの支援余地(B+C の合計)

[仮説]「支援すれば担い手が増える」領域は、暮らし・職人・自然などのテーマ型に集中している

考察支援余地が大きい上位は「暮らし・農家」「職人・工房」「ネイチャー・里山」。一方で「市街地・町あるき」は75.0%が単独対応でき、支援余地は12.5%にとどまる。自由記述でも「市街地以外の魅力」「体験・アクティビティの造成」への言及が多く、方向は一致する。ただし本調査はガイド向けであり、観光客側の需要は測っていない。需要の裏づけには別の調査が必要。
  • n=32(設問ごとに変動)
  • 集計方法:支援余地 = B(要支援)+ C(未経験だが取り組みたい)の合計
  • 注記:探索的分析によって確認された傾向。事前仮説ではない
  • 注記:需要側データがないため「求められている」とは言えない

ツアー種別ごとの対応段階(中央に支援余地をそろえた図)

[仮説]破線をまたぐ帯の厚みが、そのまま打ち手の大きさになる

暮らし・農家n=32
62%
25%
65.6%
職人・工房n=32
25%
47%
19%
56.2%
ネイチャー・里山n=32
38%
41%
16%
46.9%
トレッキング・登山n=32
22%
38%
31%
46.9%
高山祭n=32
38%
31%
22%
40.6%
スノー・雪山n=32
19%
25%
44%
37.5%
食文化n=32
47%
16%
16%
22%
31.2%
E-Bike・自転車n=32
25%
25%
44%
31.2%
歴史・文化n=32
59%
16%
28.1%
市街地・町あるきn=32
75%
12.5%
A:現在、有償で単独対応できるB:経験はあるがサポート・研修が必要C:今後取り組みたい(まだガイドを行ったことがない)D:自分の領域ではない破線=支援が必要な層(B+C)の中心。破線をまたぐ帯が厚いほど支援余地が大きい※各行の帯の合計は100%。中央を揃えるため帯を縮小して配置しているため、帯の絶対的な長さは目盛として読まない
考察発散型で並べると、左がすでに単独で対応できる層、右が自分の領域ではない層、中央が支援があれば対応できる層。中央の帯が厚いツアーほど、研修や同行の機会を用意したときの効果が大きい。「スノー・雪山」「E-Bike・自転車」は右(自分の領域ではない)も43.8%前後あり、全員に勧める領域ではなく、希望者を絞って育てる領域と読める。
  • n=32(設問ごとに変動)
  • 集計方法:順序付き選択肢の発散型100%積み上げ
  • 注記:中央帯(B+C)の中心を破線に揃えている
  • 注記:同じ数値をサマリのグラフと共有(並び順のみ異なる)

月平均稼働日数の比較:繁忙期(Q18)と 閑散期(Q19)

[仮説]閑散期はほぼ止まる。「通年で食べていける仕事」にはまだなっていない

0日
+28.1pt
1~3日
-3.1pt
3~7日
+9.4pt
8~14日
-9.4pt
15~21日
-6.2pt
21~28日
-21.9pt
28~31日
+3.1pt
0%20%40%60%80%
繁忙期閑散期右端の値=閑散期 − 繁忙期(パーセントポイント)。プラスなら閑散期の方が高い
考察閑散期の月平均稼働日数は「0日」が28.1%、3日以下まで含めると62.5%。繁忙期でも「1~3日」が37.5%で最多である一方、「21日以上」も21.9%おり、稼働は二極化している。ガイド収入が総収入の10%未満という人が40.6%、専業は21.9%。「もっと増やしたい」62.5%という意向との差が、この調査で最も大きいギャップの一つ。この仮説はデータを見た後に立てたものであり、回答が出そろった時点で再確認する。
  • n=繁忙期 32 / 閑散期 32
  • 分母:各設問の有効回答者数
  • 集計方法:単一回答の構成比。差はパーセントポイント
  • 注記:繁忙期の設問には「0日」の選択肢がない